海外で活躍する、自立した女性を目指して在学中一発合格!ー大貫優海さん
【会計士を目指した理由】
合格実績が高いのでCPAに決めました
――:大貫さん、こんにちは。大貫さんは、大学1年生の5月からCPAに入学されましたね。会計士を目指そうと思った時期や動機を教えてください。
大貫:私は幼少のときに2歳から香港に7年間ほど住んでいました。小学3年生の時に日本に帰国して,編入試験を受けて、小中高一貫校で学びました。大学は慶應義塾大学に入学しました。大学への進学の際も指定校推薦を使ったので、一回も受験することなく大学まできました。そのことが、何となく直球勝負から逃げてきた結果に思えていました。自分の中でしっくりきていませんでした。そこで,大学時代は何かに専念して頑張ろうと決めたのです。いろいろと考えて、資格を持てば女性としても自立ができて強みになるので、資格取得を目指して勉強することを決意しました。その際に、弁護士と会計士どちらの資格を目指すかの2択になったのですが、法律は資格を取得するまで情熱的に勉強できるような興味がわかなかった事と、数学が好きだという事を踏まえ、受講相談をしてくださった国見先生の話の感銘を受けて、決断しました。公認会計士は、今後、英語が使える職業というのもあり、心から会計士になりたいという気持ちになれました。
――:最初に国見先生の、無料の簿記の入門講座を受けたのですね。繰り返しになりますが、弁護士のための無料ガイダンスなどには行かれましたか?
大貫:行っていません。大学の専攻が法学部法律学科だったので、最初の頃の大学の授業は全部法律関係の講義でした。その授業聞きながら、“この勉強って何か違うな”と感じました。企業法は好きだったのですが、民法にはどうしても興味が持てず、司法試験の受験のため、法律で論文を書かなくなったら辛そうだし、予備校のお金も莫大だという事を知っていたので、弁護士はやめようと思い、行きませんでした。
――:入門講座についてですが、他校の入門講座には行かれましたか?
大貫:行きませんでした。
――:CPAに決めたのはなぜですか?
大貫:国見先生の話を聞いて会計士を目指そうと思ったから、他の学校は眼中になかったです。合格実績も高いのでCPA以外は考えませんでした。最初は、この学校ならいけると思ったのですが、その後は自分のやり方の問題で波があり苦戦しました(笑)
――:法学部ですと法律の勉強が中心になるので、経済学部や商学部の人と比べると、大学との両立をするために2重の勉強が必要になるのではないかなと思うのですが、どのように工夫していましたか?
大貫:大学1年生の時は、大学の勉強を中心にしていました。先ほど言ったとおり、私は指定校推薦だったので、大学の成績が全部高校に伝わるということを聞いていましたし、高校の先生からは「順位まで把握できるよ」と伺っていました。推薦の枠が1枠しかないので、私が何かやらかしてしまうと、後輩の代から推薦がなくなるとも聞いていたので、その事態は避けなくては、と1年生の時は大学の勉強を中心にしていたのです。その頃は、まだCPAの講義がそれ程なかったので、大学の授業が終わってからCPAの自習室に行き、閉館するまでCPAの勉強をしていました。
しかし、2年生になると、計算科目が伸び悩んでしまったことがきっかけで、このままでは大学の授業に出ていられないと思いました。検討の結果、大学の勉強はテスト期間中に集中してやるという形にしました。そのため、出席する授業をいくつかに絞り、大学の勉強はテスト期間中にやり、あとはCPAの勉強をするという感じにしました。
――:2年生から3年生の直前期までは、CPA中心の生活になったのですね?
大貫:はい。
――:ちなみに、大学1年生の時は授業がたくさんあったと思うのですが、どのくらいの時間勉強していたのですか?
大貫:アルバイトもしていたので、3~4時間の勉強を週3、4日くらいしていました。
――:勉強量を増やさないといけないと思ったのは、企業法や監査論が入ってきた1年生の秋口辺りですか?
【苦手科目の克服】
CPAの先生にアドバイスをもらい、苦手の計算科目を復活させた
大貫:はい、もともと人より計算科目が苦手だと思っていたのですが、このままではマズいと思い、先生に相談しに行きました。
――:どんなアドバイスをもらったのですか?
大貫:「この生活をしていても合格には到達できない。ここからはちゃんとやるべきだ」という当たり前だけど現実を直視した助言をいただきました。確かに、それまでは問題集をもらってはいたものの全然やらず、テキストベースで勉強していましたが、全然点数が取れませんでした。12月くらいから問題集も解こうと考えて、計算科目を頑張るようになりました。理論はそれほど苦手ではなかったので、とにかく計算に集中して勉強しました。
――:簿記も管理会計も苦手だったのですね?
大貫:管理会計が特に苦手でした。基礎的な問題は出来ましたが、応用問題ができない状態でした。テキストをやり過ぎて、だんだん例題を覚えてしまい暗記のようになってしまったので、応用というか新しい問題が出てくると、どうやって解くのか分からなくなり、戸惑ってしまっていました。
――:答練でも、計算科目は苦手でしたか?
大貫:波がありました。テキストに沿った王道の基本問題は解けるけど、少しひねった問題だと途端に解けなくなり、点数が伸びませんでした。周りの人にとってはすごく簡単で点数がとれる問題でも、私は出来ないことが多々ありました。短答本試験の時も、周りが言うには管理会計が簡単だったそうなのですが、私は解けなかったです。管理会計は、初見の問題になると対応できなくなってしまうのは、答練もそうですし本番でも最後まで怖かったです。
――:それをどのように克服していきましたか?
大貫:とにかく問題集を何度も解いて、チェックをつけ、管理会計担当の梅澤先生に相談して疑問点を解決していきました。1年生の頃は、受付に行って質問するのは勇気がいるな、と思っていましたが、いつからか吹っ切れて、あれこれ質問もするようになり、問題を解く量で自分を安心させていました。
――:とにかく手を動かして問題を解いて、疑問点を残さないようにしたのですね。
大貫:はい。
【CPAの合格者チューター】
CPAの合格者チューターは、とても頼りになる存在でした
――:チューターにも質問などしたのですか?
大貫:チューターの先輩方は、自分が受験生の時にはもう合格されていたので、尊敬していまいした。チューターの皆さんに、どのように勉強したのか等をよく聞きましたね。特に監査論は「こういう問題が出題されると点数が伸びないのですが、どうしたらいいですか?」と、本来なら先生にするような質問もしていました。存在を覚えてもらったので、答練が終わった後「今回の答練の点数良かったね」とか、「成績が伸びてないな、どうしたの?」など声をかけてもらうこともあり、色々な話をさせてもらいました。自分自身のメンタル的な弱さの話もして気にかけてもらえたので、自分から話しかけなくても、たくさん声をかけてくれる頼りになる存在でした。
――:チューターが、やる気や気持ちのメンテナンスをしてくれたのですね?
大貫:他のCPA生の人に比べてたくさん話しているわけではないのですが、チューターさんたちが親身になって指導をしていただいたので、やる気に繋がりました。
――:大学2年生に進級し、勉強する科目が増えていき、この時はどのように勉強していましたか?
大貫:監査論は伸び悩んだこともありましたが、企業法は好きだったので安定していました。理論科目が増えたことで、会計士試験は計算だけじゃないと思いましたので、計算で差をつけられてもここでカバー出来るかな、という気持ちでした。ただ、短答式試験の直前は企業法と監査論ばかりやってしまい、詰め込み作業だと思って勉強してしまい、本番でしくじってしまいました。
【CPAでの学習スタイル】
得意科目を作る秘訣は、緊張感をもって講義を受けること
――:得意科目を作る勉強方法を教えてください。
大貫:まず、先生が話している事をちゃんと聞いて、講義内で全部絶対に理解してしまうぞ、という気持ちで講義を受けていました。また、短答対策をしていた頃から論文試験が終わるまで、答練でミスした問題は必ずテキストに書き込んで、どこを間違えたのかを、何度もチェックするようにしていました。
――:講義で聞いたことをテキストに書き入れて、また、答練で間違えたところも書き入れて、テキストを勉強のベースにしていたのですね。講義と答練は主にライブで受けていましたか?
大貫:はい。必ずライブで受講していました。
――:大貫さんが感じるライブ授業のメリットを教えてください。
大貫:緊張感が違いますね。スケジュールから1回でも遅れたらマズいと思っていました。大学1年生の時は、大学のテスト期間前の答練を全部欠席して、完全に大学の勉強を頑張るというスタイルでしたので、テスト期間が終わるスケジュールから1、2週間ほど遅れてしまい、切羽詰まってしまいました。また、ライブで答練を受験すれば、良い成績を取れたときに名前がランキング表に載せてもらえるので、それが良い刺激や励みになったこと等を踏まえると、ライブ受講は大事かな、と思います。
――:答練の順位表にはいろんな科目で載ったのですか?
大貫:企業法と監査論は載りました。短答式試験後の方が載る機会が多かったです。
――:後半になって調子が上がったのですね。ちなみに、模試は何位くらいが取れたのですか?
大貫:短答模試の3回目は、20位以内が取れました。
――:論文では?
大貫:1回目の模試は20位以内で、2回目は8位でした。
――:それはすごい。最後は一桁だったのですね。そのときは、計算が苦手ではなくなっていたのですか?
大貫:正直言って、どうしてこんなに上位になれたのか、自分でもよく分からなかったです。私は、短答式試験はボーダー近辺の点数で合格できたのです。周りは短答試験を余裕で合格している人がたくさんいて、その時点でかなり差がついてしまっていると思いました。もともと短答式試験より論文式試験の方が受かりやすいという事を知っていて、短答式試験が終わった後は気が緩む人が多いのです。みんなが中だるみをしている中で、すでに差がつけられている私まで中だるみをしてしまっては、論文式試験に合格できないと考えていました。
――:なるほど。では、短答式試験後は、すぐに論文対策に切り替えられたのですね?
大貫:はい。私はここで勉強しなくてはいけないと思い勉強しました。勉強したら成績も上がったのですが、苦手意識というかコンプレックスは最後まで消えませんでした。本番の試験で何かをやらかすのではないか?といつも不安でした。でも、短答式試験の後でも、危機感を忘れず緊張感をもって勉強していたからこそ、順位を上げることが出来たのだと思います。
――:短答後に、すぐに気持ちを切り替えて良かったと思いますか?
大貫:今振り返ってみても、私は1年生の計算力をつける期間に、大学の授業をメインにしていたので、その力がつきませんでした。1年生の時に、もっと頑張っていればよかったのかなと思います。でも、諦めずに、誰よりもちゃんと短答の後に勉強に取り組んだので、その結果が出て良かったなと思います。
――:話は少し戻りますが、12月の短答式試験が終わり、ボーダーギリギリの点数でしたが、そこから合格発表の1月まで、どのような勉強をしていましたか?
【論文式試験の勉強法】
結果に惑わされない。CPAの先生のおっしゃるとおりに勉強をやるのが秘訣
大貫:CPAが公表したボーダーよりは高い点数が取れていました。でも、他校が短答発表の1、2週間前にボーダーを出したのですが、それだと結構ギリギリで焦りました。でも、CPAのボーダーには届いているのだし、租税法と経営学は時間がかかるので早めに始めた方がいいよ、と先生やチューターに言われていたので、集中は出来ていなかったかもしれませんが、とりあえず受講しました。ちゃんと短答式試験に合格しているのなら、ここでの頑張りが大切なので、先生がおっしゃる通りに論文科目の勉強をやっていました。
――:失礼ですが、心配だからもう一回短答対策をやろう、という考えはなかったのですか?
大貫:そうですね。なかったです。今考えても無駄だな、と思います。もし12月の短答試験がダメで、5月短答試験を受けることになってしまったとしても、いずれにしても租税法と経営学をやる必要があるのですから、短答のことはそれほど考えませんでした。
――:租税法と経営学は勉強してみてどうでしたか?
大貫:これ以上、不得意科目は増やせないので得意科目にしなくちゃマズい、というのがありましたし、最初から全力で頑張れました。やる事が増えたとは思いましたが、頑張ったおかげで、租税法と経営学は足切りギリギリという点数は取ることがなかったので、計算が出来ない分、多少のプラス点を取れる科目になったと思います。
――:最初の計算2科目が苦手だったが、どんどん科目が増えていくことで逆に不安が解消されていったのですね?
大貫:そうですね。勉強しなければならない事が増えてきたなとは思いましたが、苦手の管理会計のカバーをしようと思い、いつも努力していました。
――:租税法も経営学も計算が出題されますが、その計算は大丈夫でしたか?
大貫:租税法と経営学の計算は暗記も必要です。計算の背後にある理論と実際の計算の方法を覚えていけばよかったのです。そういう意味では、すぐにコツがつかめました。
――:暗記は得意だったのですね?
大貫:根性だけはあるので、直前で叩き込むのは得意です(笑) 諦めが悪いというか、暗記力が強いのか分かりませんが、そんなに苦には思いませんでした。
――:コツコツやるのが好きなのですか?
大貫:要領が悪いとは分かっているので、ずっと地道にやることにしています。
――:努力することが得意なのですね。
大貫:私はいつも不安なのです。短答式試験でも、ヒヤヒヤした思いをしたので嫌な気持ちでした。論文式試験に落ちると、次の試験を受けられるのが1年後ですから、もう1年間勉強しなければならない不安から、勉強することが苦になりませんでした。
――:あまり気が休まるときはなかったのですね?
大貫:なかったですね(笑) 論文本試験もやらかしてしまいましたし。
――:具体的に論文試験で何があったのか聞いてもよろしいですか?
大貫:簿記はコツを掴んだので、模試でも成績が伸びていました。しかし、その簿記でタイムテーブルの作成ミスをしてしまい、いくつかは取れているかもしれませんが、計算の大問1個分の点数がなくなってしまう事が分かりました。財務諸表論も得意なはずなのに、初見の問題が出てしまい点数が稼げませんでした。
――:1番順位のよかった科目は何ですか?
大貫:監査論です。
――:どれくらいの点数でしたか?
大貫:80何位です。自慢するほど良くないのですが(笑)
――:論文対策をしている時期は、一日の中での勉強の時間配分は、何にどれくらいの時間を使っていましたか?
大貫:短答直前に計算科目をやらなかったという反省があったのと、論文対策の時期に入ってから理論科目を頑張ったので、監査論と企業法はそんなに時間をかけなくても点数が取れるようになってきました。経営も最初のうちに頑張ったので、それほど比重をかけずにすみました。財務諸表論は覚えることがたくさんあったので、会計学には時間をかけていました。具体的な時間配分は覚えていませんが、模試の1ヵ月前は自分でスケジュールを立てて、均等に全科目をやるようにしました。普段から会計学の答練は復習もしていて、短答前に比べると計算科目に時間をかけていました。
――:論文試験の直前期は1日何時間勉強していましたか?
大貫:朝9時には来て、夜はCPAが閉まるまでいました。
――:12時間くらいCPAの自習室にいたのですね?
大貫:でも、1日1時間くらいは友達とお昼を食べ、だらけていました(笑)
――:先ほど、均等に全科目をやっていたと伺いましたが、全科目を毎日やっていたのですか?
大貫:1日2科目くらいを回していました。テキストを読む時は流し読みをするのではなく、ゆっくり時間をかけて読むタイプだったので、全科目まわすことは出来ませんでした。
――:その頃もテキストに全部書き込み、それを読んでいくやり方でしたか?
大貫:そうです。1回目はパーと読み、2回目にラインが引いてある所や、答練で間違えたところをパッパッと読んで理解していきました。付箋をたくさん貼りたくなり、付箋だらけのテキストでした。
【CPAの重要性】
CPAのテキストの重要性が大切だった
――:CPAのテキストを全部やろうとするとC論点まで網羅性があるから、すごい量を勉強しなくてはならないと思うのですが、重要性はどのように判断していましたか?
大貫:短答試験前の企業法と監査論の勉強に集中していた時に、不安になり直前期にC論点まで勉強してしまいました。テキストを読んでいると、新しい論点が見つかり、そこに着目して勉強してしまったのですが、結局、短答式試験には全く出ませんでした。この経験から、C論点は今の自分には必要ないな、それよりもA、B論点を固める方が自分には大切だな、私はまだちゃんとA、B論点が定着していないし、C論点をやるよりもっと計算力を上げた方がいいと判断し、論文対策に入ってからC論点は見ませんでした。
――:CPAのテキストに重要性のA、B、Cが付いていていたのが役立ちましたね?
大貫:そうですね。論文対策に入ってからは特に文章を書く作業が増えたので、C論点まで固めることが出来ないし、その状態では文章が書けそうにないので、重要性をとても意識するようになりました。
――:A、B論点だけで合格点が取れるようになりますか?
大貫:なります。論文は、全く同じ問題は出ないのですが、A、B論点で理解したものを土台に解答を書くような問題ばかりでした。一方で、C論点までふくらませて書く問題はあまり出題されないので、A、B論点が定着していれば十分に得点出来ると感じました。
――:重要性A、B論点だけでも、理解できていれば短答試験も論文試験も十分に突破できるのは分かりました。ここでいう理解とは、どのレベルまで何をしていたのですか?
大貫:直前期にはそれほど時間はないのですが、例えば企業法とか監査論は、他の人にテキストの内容をすらすらと話すことが出来るのかという事を頭の中でやり続けました。さらに、監査論は目次がきれいに割り振られているので、論点ごとに目次を見て「この章はこの論点があったな」とか、ちゃんと記憶しておかなければならない論点を何も見ずに言えるように心がけていました。それは、やみくもな暗記だけでは、系統立てた論点を挙げることは出来ません。とにかく、体系的な理解、記憶の定着を意識していました。
――:具体的にどのようにしたのですか?言葉に出していたのですか?
大貫:頭の中で、ここはこういう論点だったなとか、テキストの目次の下を隠したりして、ここにこういう事が書いてあったな、というように頭の中で明確な言葉にしていました。
――:ペンや口が動くというより、頭の中で確認していたのですね?
大貫:そうです。でも論文対策に関しては実際に書いていました。それほど時間がないという訳ではなかったので、論対は、特に企業法とかは暗記レベルで書いていました。他の科目は、書いている時間がなかったので、頭の中で反復したり、もっと簡単な言葉に置き換えて復唱していました。
【CPAのフォロー体制】
CPAのすべての先生、1番お世話になった先生
――:話は変わりますが、1番お世話になった先生は誰ですか?
大貫:全員です。CPAの先生全員にお世話になりました。メンタル面でも色々な先生に相談してお世話になりました。すべての科目に質問はあったので、財務会計論の理論や簿記、管理会計論は質問が多かったかもしれませんが、企業法も勉強の仕方を伺ったり、質問をしました。監査論は、ツイッターでメッセージを送って質問をしたりしていました。
――:3年生で合格して、これからの1年はとても貴重だと思います。就職はすでに決まっていて、勉強もある程度固まっていて、この1年は普通に就活をしている人たちと比べて見えている世界が違うと思いますが、何かやりたいことはありますか?
大貫:受験時代にとてもお世話になったので、CPAでチューターをさせてもらい、これから受験する人に恩返しします。自分個人としては、監査法人の非常勤に興味があります。監査法人の就職活動をしているときに、自分が想像していた以上に、公認会計士の仕事の幅が広いのだと感じました。公認会計士は、一つの職業名称ですが、監査業務1つ取っても、金融機関から製造業、サービス業に対応して様々な監査が行われているのを知りました。また、監査業務だけでなく、監査法人に入った後でコンサルなどの仕事に転職する方もたくさんいるのを知りました。就職活動を通じて、自分の見ている世界が広くなって、公認会計士の仕事にもっと興味を持つようになりました。非常勤で働く者を対象としたプログラムとして、選考に合格すれば5人程度がニューヨークに2ヶ月間行けるというものがあります。インターンシップで、TOEICの点数などが総合的に評価されてチャンスが与えられます。私も、ぜひそれに行きたいなと思っています。非常勤で監査法人に勤務し、CPAでチューターをやり、大学生活を目一杯エンジョイする、充実した日々を楽しもうと思っています。
――:1年生から3年生までの勉強をしていた時期を取り返す?
大貫:1年生の時は遊べました。大学に行く機会も多く授業にも出ていたので、大学の友達とも遊びましたし、高校の友達とはまだ卒業して1年なので、会う機会も多く遊んでいました。でも、大学2年からだんだん断るようになり、2、3年生の時は、たまに大学の友人と遊ぶ程度でした。
――:大学の友人を見て、フラストレーションはありませんでしたか?
大貫:近い友人は大学生活を楽しんでいたので、いいな、と羨ましく思ったこともありました。フラストレーションというより、もし会計士試験に落ちたら、私は一生楽しそうな大学生活を送ることが出来ないのだと思いました。3年合格を目指していた論文試験にも落ちたら、就職先が5、6月に決まる会計士を目指していない友達のみんなを祝福してあげられなどころか、一番差し迫った時期でそれどころじゃないんだな、と怖さを感じていました。
【スランプの脱出方法】
勉強が嫌だとは思わなかった。早めにCPAの先生のアドバイスを受けることが、早期合格の秘訣です
――:もう勉強が嫌だとか、会計士を辞めようか迷ったという事はなかったのですね?
大貫:そうです。もし12月の短答試験に落ちても、絶対に続けようと決めていました。実際に、論文試験の合格発表の前はヒヤヒヤしていました。ですが、短答試験には合格しているし、こんなに勉強してきたのだから、今回落ちてしまうと、またみんなと遊べないけど、絶対合格するまで受験するだろうなと思っていました。
――:志は強かったのですね?
大貫:周りにそういう人が多くて、勉強が嫌だと言っている人がいなくて、逆にみんなで楽しみながら、お互いに励ましながら勉強をする環境だったのです。だから、自分だけ嫌だと言っていられないし、そもそもそのように思うことがありませんでした。
――:勉強していて、いつ頃が一番辛かったですか?
大貫:計算科目の日商簿記1級レベルの学習をしていたころです。その辺りから計算が分からなくなり、実力が伸びないどころか落ちているな、と感じていました。問題集をやっていないからなのかと思い、問題集をやってちょっと上がりましたが、周りと比べると、普通から少し下くらいで、ずっとそこから上がれませんでした。理論に関しては、うまい具合にいったのですが、計算はダメだったのです。
――:不安要素ではありつつ、とりあえず形にはなったと感じたのはいつ頃ですか?
大貫:論文模試第1回目で10位になって、結果が出たなと思い、もしかしたら大丈夫かもしれないと思いました。それでも短答対策のC論点まで手を出したり、色々と寄り道をしましたが、これも経験なのでこのまま頑張ろうと思いました。問題集を解いて、分からないことがあれば聞きに行く、ことを繰り返していけば、きっと大丈夫だと思うようになっていきました。そして論文模試第2回目も良い結果が出て、これなら行けそうだ大丈夫と思い、最後まで油断しないことを心に留めながら、勉強を続けました。
――:短答式試験はいい起爆剤だったのですね?
大貫:本当にそうだと思います。あの時に焦っていなかったら、CPAの先生のアドバイスを真剣に聞くこともなかったし、そのままずっと論文試験まで正しい勉強をしていなかったと思いますし、良い経験だったと思います。
――:決して楽なことばかりではなかったと思いますが、どんな思いで受験生活を乗り切りましたか?
大貫:私が伸び悩んでいた時に何度も思ったのは、合格するかということ自体は自分の将来に対して手段でしかない。本当に自分が達成したい目標は何なのか?どうなりたいから会計士を目指したのか?を思い出すようにしていました。視野が狭くなると失敗する、周りから遅れるし、皆が合格する中で自分が落ちてしまったら恥ずかしいと思うときもありました。でも、たった1年とか半年ずれるだけなら、自分の人生の全体からしたら小さな差でしかないな、と考えるようにしていました。だから、今は自分に出来ることを必死にやるしかない、という結論に至りました。私は、親孝行が出来たらいいなと思っていましたし、将来はグローバルな会計士になりたいなという思いをもって勉強を始めたんだと、初心を振り返ったりして、今は苦しくても頑張るしかない、といつも思っていました。
これから受験する皆さんには、今出来ることを全力でやって欲しいなと思います。人それぞれやる事は異なると思いますが、苦しくなったら、自分が目指したいものは何だったのか?という事を振り返ってみてください。1、2年の違いなどは気にせず、やるべきことをやって自分の夢を実現するんだ。そういう、広い視野を持ち直してみるのがいいと思います。
【将来の会計士像】
最終的な夢は、海外の人と協力し合える専門性のある人に
――:大貫さんが描いていた夢を教えていただけますか?
大貫:具体的な将来は決めていません。1つの目標は、合格することで周りから喜んでもらいたいというのもありました。そして最終的な将来像は、海外の人と協力し合い、協調的な会計士になりたいと思っています。もともと会計士は専門性が問われる職業で、自分が一生懸命勉強して得た知識で、臨機応変にアドバイスしてあげる、他人に貢献するというか、他の人の力になれるような会計士になりたいと思っています。そのために、自分だけしかできないような付加価値を生み出せる会計士になりたいです。
――:今後、監査法人へ行くにあたって、いきたい部署とかあるのですか?
大貫:商社に興味があります。様々な子会社を海外に展開しているので、海外に行くチャンスもあると伺いましたし、女性だから滞在とかは実際どうなのかまだ想像がつかないのですが、商社勤務なら日本の会社内で海外の人がいると聞いていて、国際業務も多いと聞きました。国際関係の事業部を志望しています。
――:海外に行くことには、あまり望んでいないのですか?
大貫:本当は行きたいのですが、多分滞在となると働き出してから最低でも4,5年目で、そこから4年、短くても2年は滞在するので、行けるのか不安です。でも、行きたいとは思っています。女性の場合はライフサイクルがあるのでタイミングが難しいと、女性会計士の方がおっしゃっていました。でも会計士は、育休を取っても元の仕事に戻って来られる融通の利く職業なので、いつかは行きたいです。すぐには難しいかもしれませんが、将来必ず行ってみたいと思います。